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古木

もみじ亭の改築状況

古民家改築

もみじ亭は、築二百年の古民家を改築した祖谷そば店です。
かつては地元の郷土民俗資料館として利用されていましたが、West-Westのオープンに伴い「本物の古民家で祖谷そばを味わう」というコンセプトのもと、大幅な改築を行いました。
建物自体が川側に大きく傾いていたため、ジャッキを使用し水平の状態で、柱や梁の補修と筋交い(すじかい)の設置を行いました。
また、建物の要である梁や柱はできるだけ当時の物を使用し、随所に接ぎ木を用いるなど細部までこだわりをもって改築されています。
祖谷地方の古民家の特色である、急勾配の屋根や吹き抜けの天井なども出来る限り再現し、訪れた人に少しでも古民家の持つ、独特の「なごみと雰囲気」を感じて頂ければ幸いです。

東祖谷の古民家(ちいおり)ともみじ亭との比較

東祖谷の古民家(ちいおり)ともみじ亭との比較

再現へのこだわり

このもみじ亭の改築にあたった最大の立役者が、地元三好市で建築業を営む山下憲二さんです。
山下さんの技術の中でも、特に目を見張る箇所は、古民家が持つ雰囲気の重要な部分である「屋根の曲線」部分。
もみじ亭の屋根は、良く見るとなだらかな曲線を描いています。
茅葺屋根のままでは、メンテナンスと耐久性に問題があることから、茅葺屋根の雰囲気を損なうことなく、トタンで曲線を再現しました。
曲線がきついと屋根が反り返り、直線すぎると雰囲気が損なわれます。山下さんは古民家の雰囲気を壊すことなく、コツコツと調整しながらゆるやかな屋根の曲線を仕上げて行きました。

解放感あふれるセイガイ造りとむき出しの天井

解放感あふれるセイガイ造りとむき出しの天井

祖谷地方の古民家の特徴

・セイガイ造り
母屋の柱より腕木(うでぎ)をはね出して、桁(けた)をのせ、この部分に軒天井(のきてんじょう)を張る古式の建築様式。

・積雪を考慮した急勾配の屋根
祖谷地方は1mを超える積雪が観測されることもあり、落雪効果の大きい急勾配の屋根が多い。

・天井張りがない天井
刻み煙草の産地でもあった祖谷では露出している梁にタバコを釣り、囲炉裏で乾燥させるため、天井に仕切りがない。

無垢の木を使った机、杉のソギ葺き

無垢の木を使った机、杉のソギ葺き

木を活かす

古民家が持つ雰囲気を壊さない為に、机ひとつひとつも「木を活かす」といテーマに沿って制作されました。
机は「楠」「とがさわら」の大木を使い、一枚もので切り出しました。
また、昔からの日本の伝統的な屋根の下地である「杉のソギ葺き」も店内のアクセントになっています。
ソギとは杉の木を薄くし、下敷きの様な形にしたもので、もみじ亭ではこれを少し重ね合わせた状態で屋根を作っています。
製材を使うのではなく本物の木を贅沢に使い、もみじ亭にマッチさせる。
古民家の雰囲気と木そのもののぬくもりを感じて下さい。

「バランス」「霜月」

「バランス」「霜月」

ラムジーランプ

柔らかな光に照らされる、もみじ亭店内。
ショーン・ラムジー氏制作の行燈から、柔らかな光が漏れています。
同氏は2002年に来日し、東祖谷の日本家屋にアトリエを設置し、アジアを中心に創作活動を行ってきました。
手透きの和紙と自然の材料を使ったラムジー氏の「光の造形美」は国内外を問わず、非常に高い評価を得ています。
日本古来のぬくもりとなごみ、空間を作り出す。
それがショーン・ラムジーの世界です。

ショーン・ラムジー氏、祖谷の渓谷

ショーン・ラムジー氏、祖谷の渓谷

祖谷への思い

ラムジー氏はもみじ亭のコンセプトに共感し、行燈(あんどん)をプロデュースしました。
独立した平和な山里での生活に魅せられたラムジー氏は、個展「グラデーションズ」にて忘れられた日本の一角での、一年を通した体験を作品として表現しました。
ラムジー氏の立体造形美は移り変わる四季、厳しい自然からの要素を含んだ作品となっており、祖谷の人々と自然が調和した暮らしに影響されたものでもあります。
ラムジー氏はこう語ります。「昔ながらの礼儀を守り続ける純粋な人々は、私の創作活動にも、また私の人生自体にもすばらしい影響を与えてくれました」と。

シラクチカズラと古民具を使った手作り行燈

シラクチカズラと古民具を使った手作り行燈

手作り照明

ラムジー氏以外の行燈も手作りです。
店内中央の梁に設置されている行燈は、東祖谷在住の竹本正夫氏が制作しました。
もみじ亭の全体プロデュースも務めた竹本氏は、姉妹店である「祖谷そば 仙吉」のオーナーであり、趣味で行燈作りを行っています。
古民家の雰囲気を損なわないように、シラクチカズラやフジカズラを始め、土佐和紙や古い面格子、古い民具などを組み合わせて、世界で一つしかない照明を作り上げました。

家紋と平家祭り

家紋と平家祭り

平家落人伝説と祖谷

今から800年有余年前(一一八五)、讃岐(屋島)の源平合戦で敗れた「平 国盛」は一族郎党を引き連れ祖谷に潜入し、再起を促した。
しかし、願い叶わず落武者として住みつき、平家村として今日に至ったことは、古来から史実とみられ、祖谷地方の伝承として残されている。
全国各地に平家の落人伝説は多く存在しますが、とりわけ祖谷地方は平家の赤旗や安徳天皇の墓などの史実を裏付けるものが多く残っているため、平家の中でも重要な人物が隠れ住んだ場所として認識されています。
祖谷地方の古民家は、平安時代末期の建築様式を多く用いており、源氏の追手を恐れた平氏が祖谷に潜入した証拠と考えられています。

ちいおりとアレックス・カー氏

ちいおりとアレックス・カー氏

アレックス・カー氏とちいおり

アレックス・カー氏は米国出身の東洋文化研究家で、大学生の時に日本をヒッチハイクして、祖谷の古民家に魅せられた一人です。東祖谷釣井にある築300年の古民家を購入し、「ちいおり」と名付けました。
その後、ちいおりは外観はそのままに、大幅なリノベーションを行い、快適な宿泊施設として生まれ変わりました。
祖谷ではちいおりに加え、落合集落にある「桃源郷祖谷の山里」もプロデュースしています。
アレックス・カー氏は著書「美しき日本の残像」にて、初めて訪れた祖谷についてこう語っています。
「昔の人にとっても、祖谷は桃源郷のような別世界でした」と。