こんにちは。RiverStation WestWestです。
前回はもみじ亭の修復についてご紹介しました。
今回は祖谷そばのルーツともみじ亭のメニューについてご紹介します。
大歩危峡の玄関口であるWest-Westから高知県側へ車で10分ほど進み、大歩危橋を渡り峠を越えると日本三大秘境といわれる祖谷地方があります。
祖谷は漢字で「祖谷」と書いて「いや」と読みます。祖谷は東西に分かれ、奥側が東祖谷(ひがしいや)と手前側が西祖谷(にしいや)という地域になっています。
この祖谷に伝わるそばのご紹介から始めます。
祖谷そばは平家の落人が常食として作り出した素朴な田舎麵です。耕地となる畑は急傾斜地の狭い畑です。
祖谷は水捌けが悪いため、米の収穫量が少なく、荒地でも出来るそばを盛んに作るようになりました。
祖谷そばは、信州そばとは違いつなぎが少ないため太くて切れ切れになります。
食感はツルツルした感じはなくモソモソした食感ですが、そば本来の甘みを感じられます。
遠い昔は必ずそばを自宅で打ち来客時やお盆、お正月、法事等の際は祖谷そばを振舞いました。
生産量も少なく耕作地も小さいため地産地消の料理としてひっそりと今に引き継がれています。
もみじ亭の手打ち祖谷そば麺は数少ない生産者の都築商店さんから朝一番に仕入れています。
都築商店は東祖谷若林にある手打ち祖谷そば麺の工場と、古式祖谷そば打ちを体験出来る「めんめ塾」を開いています。
そばは、そば粉を挽き手でこねます。これは大変力のいる作業で自分の体重を乗せて手際よく作っていきます。
そのあと、麺棒で伸ばします。これらを全て手作業で行うため生産量は非常に少ないです。
本来祖谷そばは小指ほどの太さがあるのですが、食感を良くするためにもみじ亭のそば包丁を使った手切りの細切りそばとなっております。
もみじ亭は、平家落人の伝来の祖谷そばをいかに美味しく皆様にご提供出来るかを考えメニューを作りました。
地産地消に重きを置き椎茸、筍、かぼちゃ、地元の山菜(季節限定)等、地元の食材をふんだんに使用しております。
特に椎茸はどんこ(乾燥椎茸)を使い味付けをしています。
そばに付く岩豆腐の冷奴と、祖谷こんにゃくの煮つけ(または酢味噌和え)は郷土の代表となる食材です。
岩豆腐は普通の豆腐と違い大豆の量が多く、身がぎっしり詰まっており通常の豆腐より硬く、大豆の風味が濃い豆腐です。
ビニール袋の無かった時代に「豆腐を荒縄で括って持ち帰っても崩れない」というのが祖谷の岩豆腐です。
祖谷こんにゃくも同じく硬めで、ぷりぷりとした感触が強く大きな楕円形のこんにゃくです。
夏には刺身こんにゃくとして酢味噌和えにして提供しております。
これら祖谷の食材をふんだんに使ったもみじ亭一押しのメニューは、冷たい祖谷そばの山かけぶっかけです。
タレを先に薬味と混ぜてそばにぶっかけると山芋が蕎麦と絡み、のど越し良く食べられ暑い時期にもぴったりです。
ぶっかけそばに天ぷらをつけた「祖谷そば 天ぷら山かけぶっかけ」がボリュームもあり人気があります。
お米が食べたい方には十五穀米(白米も可)のおにぎりがつく「祖谷そば御膳」もおススメです。
温かいそばのお出汁とお米のおにぎりは相性抜群です。
左から「祖谷そば山かけぶっかけ」「祖谷そば天ぷら山かけぶっかけ」「祖谷そば御膳」
本物の古民家で素朴な郷土料理を味わえるもみじ亭にぜひお立ち寄り下さい。
次回は徳島ラーメンにし利についてご紹介いたします。
皆さまのお立ち寄りをお待ちしております。